妊娠の兆候・症状、妊娠初期から出産までに知っておきたいこと。
「妊娠・出産」のここカラダ〜はじめての妊娠でも大丈夫。出産までに知っておきたいことAtoZ
 

妊娠・出産に役立つコラム

07.03.01 更新

妊娠中のトラブルって? 気をつけたい母体への症状

妊娠初期に特徴的なつわり、母子ともに安定する中期、分娩につながるトラブルの多い後期。妊娠中のトラブルは、妊娠特有の危険な病気から毎日の生活における不快な症状まで、幅広く考えられます。

妊娠中の出血、睡眠、尿トラブルについて

妊娠中の出血

たとえば胎盤が発達する段階の妊娠初期に、少量の出血やおりものに混ざった出血を伴うことがありますが、妊娠中に不正な出血を経験する妊婦は少なくありません。量や時期にもよりますが、大量の出血や激痛を伴うものは、すぐに医師の診察を受けましょう。出血を引き起こす病気には以下のようなものがあります。

前置胎盤・低置胎盤 子宮の成長につれて、正しい位置にない胎盤が引っ張られることで出血を伴うことがあります。痛みはなく、鮮血がときどき出ることがあります。医師とよく相談する必要があるでしょう。
胎盤早期剥離 前置胎盤や低置胎盤とは異なり、正常な位置に胎盤がある場合でも出産前に突然はがれてしまうことがあります。大量の出血を伴うので危険です。出血があったら早急に医師に相談しましょう。
切迫早産(早産) 妊娠22〜36週までの出産、あるいは出産になりそうなこと。激しい腹痛とおなかの張り、出血などを伴い、破水したら安静に過ごすか、分娩準備に入ることがほとんどです。
後期流産 妊娠12〜22週未満までの流産のことです。激しい痛みと大量の出血を伴うことがあります。

眠い

妊娠中眠いのは、子宮の筋肉を柔らかくして流産を防ぐ作用があるといわれる、黄体ホルモンの分泌が盛んになるからですが、これは妊婦の体をゆっくり休ませよう、というホルモンが分泌しているとも考えられます。のんびり昼寝をしたり、眠いときには横になって休息をとるようにしましょう。

眠れない

妊娠後期は不眠になりがちですが、運動不足の場合が多いので、散歩をしたり軽い運動をするようにしましょう。また、昼間の眠気が強い場合は、昼寝をして睡眠時間を補ってもいいでしょう。おなかが大きくなると、眠るときの姿勢も気になります。仰向けに寝ると血圧が下がったり息苦しくなったりするので、横向きに寝るなど自分に合った楽な姿勢をとりましょう。寝具は、普段より少し柔らかめのものを選ぶのがいいかもしれません。

尿トラブル

子宮が大きくなることで、子宮の周りの膀胱や大腸が圧迫を受けて頻尿になりやすくなります。また尿意を我慢すると、膀胱炎や腎盂(じんう)炎、感染症を引き起こす恐れがあるので注意しましょう。

妊娠初期〜中期にみられるおもなトラブル

つわりがある

妊娠初期にほとんどの妊婦が悩まされるつわり。食欲がなく、吐き気が続いたりしますが、初期にはまだ胎児も栄養をそれほど必要としていません。あまり神経質にならず、食欲がなければ水分補給だけ気をつけて、消化のいいものを少しずつ食べるようにしましょう。つわりのひどいときは無理をせずにゆっくりと休息をとり、ストレスを感じないようにしましょう。

おなかが痛い

妊娠5週目ぐらいに、おなかが張る感じがして生理痛程度の腹痛がある場合があります。出血を伴わないものなら、おなかを冷やさないように注意してようすをみ、気になるようだったら医師に相談を。出血があり痛みが重い場合は、流産の危険もあるのですぐに病院へ行きましょう。

便秘・痔になってしまった

ホルモンバランスの関係と子宮の膨張により、便秘になりやすくなります。また、子宮の成長によって大腸が圧迫され便秘になり、いきみすぎて痔になることもよくあります。これらの予防に、食物繊維の摂取やまめな水分補給、適度な運動を行うことで便秘解消につとめ、場合によっては医師に相談して便秘薬や坐薬なども処方してもらいましょう。排便後には局部を清潔に保つよう十分に注意が必要です。

イライラする・なんとなく不安

イライラしたりストレスを感じると、血圧が高くなります。血圧が高くなると血管が収縮して、赤ちゃんに栄養を送るための血液が胎盤まで行き渡らなくなる可能性もあります。妊娠初期は、特につわりやホルモンバランスの急激な変化で心が不安定になりがちですが、パートナーや母親、友人と話をしたりするなど気分転換を心がけましょう。

風邪をひいてしまった

妊娠初期から中期は、胎児への影響を考えて抗ヒスタミン剤入りの市販薬などの服用は避け、休養と睡眠をしっかりとって体力をつけ回復を待ちましょう。咳や高熱が続くときは、風邪だと思っていても風疹やその他の感染症の場合もあるので医師に相談し、妊娠していることを告げてしっかりと診察してもらいましょう。

妊娠中〜後期にみられるおもなトラブル

太ってきた

つわりが終わり体調も回復するこの時期は、「おなかの赤ちゃんのためにしっかり食べよう」と思ってついつい食事を多く摂りすぎがちです。また妊娠後期になると、胎児の成長のために糖分が必要になり、妊婦自身も甘いものが食べたくなります。体重増加は一週間に300〜400gまでといわれ、必要以上の体重増加は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群、そして難産をも招くことになります。量を多く摂るのではなく、胎児に必要な栄養素を医師や看護師に聞いて、バランスのよい食事を心がけましょう。

おりものが多い

胎児の成長に伴って新陳代謝が活発になり、おりものの量も増えるのが普通です。乳白色で臭いのきつくないおりものだったら問題はないので、清潔を心がけて下着をまめに交換しましょう。おりものシートなども利用すると便利です。おりもののようすはこまめに観察して、黄色い膿(うみ)状のものや量が多すぎるときは十分注意しましょう。臭いや色に異常があれば、膣炎などを起こしている可能性もあるので早めに医師に相談を。

静脈瘤ができた

子宮が成長することで、脚部の静脈が圧迫されて瘤(こぶ)ができることがあります。長時間立ち続けたりしないで休息をしっかり取り、サポートタイプのストッキングを履くなどして静脈瘤ができるのを防ぎましょう。

おなかが張る

妊娠満期には、不定期におなかが張ったり固くなったりしますが、これは前駆陣痛という出産準備のひとつで、子宮の収縮が起こり産道が柔らかくなります。お産のときに胎児が産道を通りやすくするための自然な現象です。

胎動が鈍い

活発に動いていた胎児の動きが急に鈍くなったり、胎動が減ってしまった場合、何らかの異常をきたしている場合があります。早めに医師に相談しましょう。

そのほか不快な症状をチェック

これまでのトラブルのほかにも、妊娠による体型の変化からくる不快な症状がいくつか考えられます。
まず、おなかが大きくなり体重が増えてくると、背中を反るような無理な姿勢が続くことによる腰痛、体重負担で足がつるなど考えられます。また、皮膚の新陳代謝も活発で汗をかきやすくなりますし、妊娠線の出る部分や張ってきたお腹の周りがかゆくなったりします。これは腹帯やガードルなど慣れない下着でかゆくなる場合もありますし、ストレスやホルモンバランスの変化による場合もあります。ホルモンの影響で水分を体に溜めようとする働きが起きることから、ある程度の体のむくみも仕方がないことといえるでしょう。ただし、妊娠高血圧症候群や腎臓のトラブルなどには注意が必要です。
ほかでは、胎児の成長に必要な鉄分が不足し、貧血になりやすく立ちくらみを起こしたり、子宮が成長するために胃が圧迫され、食後に胃がムカムカすることもあります。胃のむかつきは、お産が近づいていて胎児が下におりてくると急に楽になることもあります。ちなみに妊娠中の歯の治療は、安定期に入る妊娠中期に行うほうがよいとされます。妊娠中は、虫歯がお母さんの口から赤ちゃんへと移りやすいので、毎日の歯みがきをしっかり行い、予防することが大切です。

◆監修◆パークサイド広尾レディスクリニック 宗田 聡(そうだ・さとし)先生

構成・文/宇山恵子

前のコラムへ
次のコラムへ
この記事に関連する診療科目
病院を探すときは以下の科目を選択してください。
 産婦人科 産科 婦人科
この記事の関連コンテンツ
症状チェック  不妊かも?度チェック
「妊娠・出産に役立つコラム」トップへもどる
ページの先頭へ
妊娠中のトラブルって?気をつけたい母体への影響